外壁塗装の部補修の適用条件と業者選びのポイント

著者：久島塗装

外壁のひび割れや剥がれが気になりながらも、「部分補修だけで大丈夫？」「業者に頼むと高額になりそう…」と迷っていませんか？実は、外壁塗装の部分補修を適切に行えば、コストを抑えながらも劣化を防ぎ、長持ちさせることが可能です。

 

国土交通省の建築メンテナンス指針によると、外壁の劣化は5年～10年で顕著になり、適切な補修を怠ると雨水の侵入や断熱性能の低下につながるとされています。特に「ひび割れ」「塗装の剥がれ」「チョーキング現象（外壁に白い粉が付く現象）」が見られる場合、早急な対応が必要です。しかし、すべてを塗り替えるのではなく、劣化が進行する前に部分補修を行うことで、全体塗装のコストの約50％を節約できるケースもあります。

 

本記事では、部分補修の適用範囲や費用相場、優良業者の選び方まで詳しく解説します。最後まで読むことで、あなたの外壁にとって最適な補修方法が分かり、余計な費用をかけずに安心して住まいを守る知識が身につきます。

外壁塗装の部分補修とは？基礎知識を押さえよう

外壁の部分補修の定義と必要な理由

 

外壁の部分補修とは、外壁全体を塗り替えるのではなく、劣化が進んだ一部のみを修繕する方法です。ひび割れや剥がれなどの局所的なダメージに対応し、コストを抑えつつ建物の耐久性を維持する目的で実施されます。特に住宅や商業施設では、全面塗装を行う予算や時間的余裕がない場合に有効な選択肢となります。

 

外壁補修が必要な主な理由と環境要因

 

1. 経年劣化によるひび割れや剥がれ
   
   • 外壁は日々紫外線や雨風にさらされており、塗膜が劣化するとひび割れや剥がれが発生します。特にモルタル外壁はクラックが入りやすく、早めの補修が求められます。

 

1. 防水機能の低下
   
   • 外壁の塗膜が劣化すると、防水性能が低下し、雨水が内部に浸透するリスクが高まります。その結果、カビやコケの発生、さらには内部構造の腐食につながることがあります。

 

1. 外観の維持と資産価値の向上
   
   • 部分補修によって美観を維持し、不動産価値の低下を防ぐことができます。特に、売却予定がある場合や店舗の外観を清潔に保つ必要がある場合は、定期的な補修が重要です。

 

1. 断熱・遮熱性能の維持
   
   • 外壁塗装には断熱・遮熱効果のある塗料が使われることが多いため、部分補修を適切に行うことで、建物内の温度調節効果を維持することができます。

 

1. 定期的なメンテナンスの重要性
   
   • 10年に1度の塗り替えが推奨されるケースが多いですが、気候条件や建材の種類によって劣化のスピードは異なります。早めの部分補修を行うことで、大規模な修繕を回避し、トータルのメンテナンスコストを削減できます。

 

劣化症状（ひび割れ、剥がれ、チョーキング現象など）

 

外壁の劣化にはいくつかの兆候があり、それぞれの症状を適切に把握することが補修のタイミングを見極める鍵となります。

 

各劣化症状の特徴と発生原因

 

劣化症状	特徴	発生原因
ひび割れ（クラック）	幅0.3mm以上の亀裂が発生	地震、温度変化、建物の揺れ、経年劣化
塗装の剥がれ	表面の塗膜がめくれ落ちる	下地の劣化、塗装の密着不良、過去の施工不良
チョーキング現象	触ると白い粉が付着する	紫外線による塗膜の分解、塗料の劣化
コーキングの劣化	目地部分のゴムがひび割れる	経年劣化、紫外線・雨水の影響
サイディングの浮き	パネルが膨らむ、隙間ができる	釘の緩み、湿気の侵入、施工ミス

 

劣化を放置した場合のリスク

 

1. 雨漏りの発生
   
   • ひび割れや剥がれを放置すると、雨水が建物内部に侵入し、雨漏りが発生するリスクが高まります。

 

1. カビ・苔の繁殖
   
   • 湿気が壁面に残ると、カビや苔が発生しやすくなります。これにより、建物の美観が損なわれるだけでなく、健康被害のリスクもあります。

 

1. 建物の耐久性低下
   
   • 外壁の損傷が進行すると、建物の耐久性が低下し、将来的に大規模な修繕が必要となる可能性があります。

 

部分補修が適用できるケースとできないケース

部分補修で対応できる劣化症状

 

1. ひび割れが軽度である場合
   
   • ヘアークラック（0.3mm未満のひび割れ）であれば、シーリング材を使用して簡単に補修可能です。

 

1. 塗装の剥がれが局所的である場合
   
   • 一部分の剥がれであれば、既存の塗膜に馴染む塗料を使用することで補修可能です。

 

1. コーキングの劣化が目地単位である場合
   
   • 一部の目地が劣化している場合、シーリングの打ち替えで対応できます。

 

1. サイディングが軽度に浮いている場合
   
   • 固定のネジや接着剤を用いることで、簡単な補修が可能です。

 

全体塗装が必要なケースの判断基準

 

1. 外壁全体にチョーキング現象が発生している場合
   
   • 表面の塗膜が劣化し、触ると白い粉が付着する状態が広範囲に及んでいる場合は、部分補修ではなく全体塗装が必要です。

 

1. ひび割れの数が多く、深刻な場合
   
   • 0.3mm以上のクラックが複数箇所に発生している場合、構造的な問題が発生している可能性があり、全体補修が推奨されます。

 

1. 外壁材そのものが劣化している場合
   
   • ひび割れや剥がれが進行し、塗装だけでは修復できない場合、外壁材の交換を検討する必要があります。

 

適切な補修タイミングと施工の目安

 

劣化状況	部分補修のタイミング
軽度のひび割れ	発見後、1～2ヶ月以内に補修
塗装の剥がれ	剥がれた範囲が拡大する前に補修
コーキングの劣化	目地の割れや隙間が発生したらすぐ対応
チョーキング現象	軽度なら洗浄、中程度以上なら塗り替え

 

メンテナンススケジュールの立て方

 

1. 定期点検を実施する（5年ごと推奨）
   
   • 劣化の進行度を把握し、適切な補修計画を立てる。

 

1. 部分補修と全体塗装のバランスを考える
   
   • 予算に応じて、補修と塗り替えのタイミングを調整する。

 

1. 劣化が進む前に専門業者に相談する
   
   • 劣化の兆候を感じたら、早めに見積もりを依頼し、最適な補修方法を検討する。

 

外壁の部分補修と全体塗装の違い！どちらを選ぶべきか？

コスト・施工期間・耐久性の違い

 

項目	部分補修	全体塗装
コスト	安価（施工範囲が限定的）	高額（外壁全体に施工が必要）
施工期間	数時間～数日	1週間～2週間
耐久性	部分的に補修するため劣化しやすい	全体的に補修されるため長持ち
仕上がりの統一感	色ムラが発生する可能性あり	外壁全体が統一される
適用ケース	ひび割れや剥がれなど限定的な劣化	劣化が全体に広がっている場合

 

メンテナンス頻度の違い

 

部分補修は傷んだ部分のみを直すため、一時的にはコストを抑えられますが、補修部分と周囲の劣化速度に差が生じやすく、結果的に頻繁なメンテナンスが必要になります。一方、全体塗装は一度の施工で長期間の耐久性を確保できるため、頻繁な補修の手間を減らすことができます。

 

施工費用の内訳と相場

 

部分補修と全体塗装の費用の内訳は以下の通りです。

 

施工内容	部分補修	全体塗装
足場設置	不要または最小限	必須（全体に設置）
下地処理	局所的な補修	全面補修
塗料費用	必要箇所のみ	全面塗装
人件費	作業時間が短い	作業時間が長い

 

部分補修が可能な具体的な例

 

部分補修が適しているのは、外壁の劣化が局所的で軽度な場合です。

 

1. 小さなひび割れ（ヘアークラック）
   
   • 0.3mm未満の細いひび割れは、コーキングや専用補修材で簡単に修復可能です。

 

1. 塗装の剥がれが限定的
   
   • 外壁の一部だけ塗膜が剥がれた場合は、周囲と馴染む塗料を使って補修可能。

 

1. コーキングの劣化が局所的
   
   • 一部のコーキングが劣化している場合、部分的な打ち替えが可能です。

 

全体塗装が必要なケース

 

1. 外壁全体にチョーキング現象が発生している場合
   
   • 触ると白い粉が付くチョーキング現象は塗膜劣化のサインで、全体塗装が必要です。

 

1. 広範囲にひび割れや剥がれがある場合
   
   • ひび割れが複数箇所に発生している場合、構造的な問題が生じている可能性があるため、全体塗装が推奨されます。

 

部分補修と全体塗装の施工後の違い

 

比較項目	部分補修	全体塗装
仕上がり	色ムラが生じる可能性あり	均一な仕上がり
耐久性	周囲の劣化と差が生じる	全体が長持ち
費用	短期的に安価	長期的にコストパフォーマンス良好
施工時間	短い（数時間～数日）	長い（1週間以上）

 

施工後のメンテナンス方法

 

施工後のメンテナンスを適切に行うことで、補修部分の耐久性を延ばすことが可能です。

 

1. 定期的な点検
   
   • 5年に1回程度、外壁の状態をチェックし、ひび割れや劣化を早期発見することが重要です。

 

1. 防水対策の強化
   
   • シーリングの打ち替えや撥水コーティングを施すことで、補修部分の耐久性を向上できます。

 

1. 部分補修後の追加施工
   
   • 色ムラを防ぐために、補修部分の周囲をなじませるように塗装する「ぼかし塗装」などの技術を活用すると、見た目の違和感を軽減できます。

 

このように、部分補修と全体塗装にはそれぞれの特性があり、状況に応じた選択が必要です。部分補修で対応できる範囲を見極めつつ、長期的なメンテナンス計画を考えることが重要です。

 

ひび割れの補修方法

 

外壁のひび割れ（クラック）は、劣化のサインとして最も一般的に見られる現象です。放置すると雨水の侵入による構造体の腐食や、さらなる劣化を引き起こす可能性があります。そのため、適切な補修を施し、建物の耐久性を維持することが重要です。

 

クラック（ひび割れ）の種類と補修方法

 

外壁のひび割れには、以下の2種類があり、それぞれ補修方法が異なります。

 

クラックの種類	特徴	主な原因	補修方法
ヘアークラック	0.3mm未満の細いひび割れ	経年劣化、乾燥収縮	表面をシーリング材や塗料で補修
構造クラック	0.3mm以上の深いひび割れ	地震、地盤沈下、建物の歪み	エポキシ樹脂注入やモルタル補修が必要

 

コーキング材を使用した補修手順

 

ひび割れの補修には、コーキング材（シーリング材）を使用する方法が一般的です。

 

補修手順

 

1. ひび割れ部分の清掃
   
   • ブラシやエアブローでホコリや汚れを除去する。

 

1. プライマーの塗布
   
   • コーキング材の密着性を高めるため、専用プライマーを塗布する。

 

1. コーキング材の充填
   
   • ヘラやガンを使って、ひび割れに均等に埋め込む。

 

1. ヘラで仕上げ
   
   • 余分なコーキングを取り除き、表面を整える。

 

1. 完全硬化後、塗装仕上げ
   
   • 補修部分が周囲と馴染むように塗装を施す。

 

 

補修後の耐久性とメンテナンス

 

補修後の耐久性を高めるには、定期的な点検と再塗装が重要です。特に、コーキング材は紫外線による劣化が進みやすいため、5～10年ごとに再施工することを推奨します。

 

塗装の剥がれ補修

 

外壁の塗装が剥がれると、美観が損なわれるだけでなく、雨水の侵入や外壁材の劣化を招く原因になります。剥がれの進行状況に応じて、部分補修か全体塗装を選択することが重要です。

 

剥がれた塗装の補修方法（部分的な塗り直し vs. 全体補修）

 

施工方法	適用ケース	メリット	デメリット
部分補修	剥がれが局所的な場合	低コスト、短期間施工	色ムラが出る可能性がある
全体塗装	広範囲に劣化が見られる場合	耐久性向上、統一感のある仕上がり	費用と工期がかかる

 

DIYとプロに依頼する場合の違い

 

項目	DIY	プロ施工
費用	材料費のみ（数千円～数万円）	人件費込み（数十万円）
仕上がり	塗りムラが出る可能性あり	均一で長持ちする仕上がり
耐久性	短期間（2～5年）	長期間（10～15年）

 

補修後の色合わせと塗装ムラ対策

 

部分補修の場合、色ムラが出やすいため、以下の対策が必要です。

 

• 既存塗料の色に近いものを使用
  
  • メーカーや品番を確認し、同じ塗料を選択する。

 

• ぼかし塗装を行う
  
  • 周囲の塗装と馴染ませるため、境界部分を薄くぼかして塗る。

 

• 日差しの当たり具合を考慮
  
  • 経年劣化による色褪せを考慮し、調整しながら塗装を行う。

 

防水性の改善！シーリングの打ち直し

 

シーリング材（コーキング材）は、外壁の目地やサッシ周りの防水性を確保する重要な役割を果たします。劣化すると雨水の侵入を招き、内部構造の腐食を引き起こす可能性があるため、定期的な補修が必要です。

 

DIYでの対応方法とプロに頼むべきケース

 

項目	DIY対応可能	プロに依頼すべきケース
小さな剥がれ	可能（シーリング材を塗り直し）	–
広範囲の剥がれ	–	必要（専用機材での施工が必要）
複数箇所の劣化	–	必要（耐久性のあるシーリング材を使用）
建物の歪みによる目地のズレ	–	必要（建物構造に影響を与える可能性あり）

 

シーリング補修後の耐久性と経過観察

 

補修後の耐久性を維持するためには、適切なシーリング材の選択が重要です。

 

シーリング材の種類	特徴	耐久年数
ウレタン系	柔軟性が高いが紫外線に弱い	約5～7年
シリコン系	防水性が高いが塗装が密着しにくい	約10～15年
変成シリコン系	防水性・耐久性・塗装密着性が高い	約10～20年

 

外壁の部分補修には、適切な材料の選定と正しい施工が不可欠です。DIYで対応できる部分もありますが、耐久性や美観を考えると、プロに依頼することでより高品質な仕上がりが期待できます。定期的なメンテナンスを実施し、大切な建物を長く維持していきましょう。

 

まとめ

外壁塗装の部分補修は、適切に行えば全体塗装のコストの約50％を節約できるケースがあり、劣化の進行を防ぐ重要なメンテナンス手段です。特に「ひび割れ」「塗装の剥がれ」「チョーキング現象」などの症状がある場合、放置すると雨水の浸入による建物の劣化が進み、結果的に補修費用が2倍以上に膨らむこともあります。

 

また、業者選びも慎重に行うべきポイントです。信頼できる業者は詳細な現地調査を実施し、適正価格の見積もりを提示してくれます。悪徳業者を避けるためには、過度な値引きを提示する業者や契約を急かす業者には注意が必要です。加えて、火災保険や自治体の補助金を活用することで、自己負担額を抑えることも可能です。

 

外壁の劣化を最小限に抑え、住まいの寿命を延ばすためには、適切なタイミングでのメンテナンスが欠かせません。放置すると補修費用が大きくなりかねないため、早めの点検と、信頼できる専門業者への相談をおすすめします。

よくある質問

Q. 外壁塗装の部分補修はどのくらいの頻度で行うべきですか？
A. 一般的には5年〜10年ごとの点検を推奨します。特にひび割れ塗膜の剥がれチョーキング現象が見られた場合、早めの補修が必要です。部分補修の適切なタイミングを逃すと、外壁の劣化が進行し、全体塗装の必要性が高まり、補修費用が約3倍以上に膨らむ可能性があります。建物の寿命を延ばすためにも、定期的な点検と適切なメンテナンスを心掛けることが重要です。

 

Q. 外壁の部分補修と全体塗装では、費用はどのくらい違いますか？
A. 部分補修は施工範囲によって費用が変動しますが、一般的に全体塗装の50％以下のコストで済むことが多いです。ただし、外壁の状態によっては、部分補修を繰り返すことで10年後の総コストが全体塗装と変わらないケースもあります。そのため、施工範囲と耐久性を考慮した上で、どちらが最適かを検討することが大切です。業者に見積もりを依頼し、長期的なコストを比較するのが賢明です。

 

Q. 部分補修を行った後、色ムラや仕上がりの違いは出ませんか？
A. 部分補修では既存の外壁色と完全に一致させるのが難しいため、多少の色ムラが生じる可能性があります。特に、経年劣化で色あせた外壁と新しく塗装した部分の差が目立ちやすいです。ただし、調色技術に優れた業者に依頼することで、違和感の少ない仕上がりにすることは可能です。色ムラが気になる場合は、補修部分を目立たせないグラデーション塗装や、全体のクリア塗装を施す方法も検討するとよいでしょう。

 

Q. 外壁の部分補修に火災保険や補助金を適用できますか？
A. 自然災害（台風・地震・雹・落雷など）による損傷であれば、火災保険が適用される可能性があります。申請には被害状況の写真や損害調査の報告書が必要となるため、業者に相談しながら進めるのがベストです。また、自治体によっては省エネや耐久性向上を目的とした補助金制度を利用できる場合もあります。補助金は条件が厳しいことが多いですが、最大で施工費の30％程度の補助が受けられるケースもあるため、自治体の最新情報を確認することをおすすめします。

 

会社概要

店舗名・・・久島塗装
所在地・・・〒843-0233 佐賀県武雄市東川登町永野４４００−１
電話番号・・・0954-22-3447